○気になる書評


産経新聞 【著者に聞きたい】しりあがり寿祖父江慎さん『オヤジ国憲法でいこう!』
http://www.sankei.co.jp/news/050925/boo009.htm

この本の企画は、多摩美術大時代からの友人である、著者二人の間で二年ほど前から進められていた。帯のコピー「若いって、ダメじゃん」は、しりあがり寿さんの案。「『若さ』を異様にもてはやす風潮があるが、自分のことを考えても若いときは(人間的に)ダメだった」としりあがりさんは言う。

 シリーズ全体の監修も務める祖父江慎さんは「『努力すれば夢は必ずかなう』と若者に言い聞かせていると、かなわなかった場合、全部本人のせいになっちゃう。若者にこびるばかりで説教するオヤジがいなくなったから、代わりにぼくたちが言ってやろうと思った」という。


朝日新聞 オヤジ国憲法でいこう! [著]しりあがり寿祖父江慎
[掲載]2005年09月25日
[評者]高橋源一郎
http://book.asahi.com/review/TKY200509270287.html

すなわち、ここに5条15項の『オヤジ国憲法』を発布し、もってヤングに対して、『若いって、ダメじゃん!』と高らかに宣言するものとする」

 では、その「若いって、ダメじゃん」の中身とはなにか。

 それは突き詰めていくと「ヤングなときって、なにかと硬直しながら生きている」という言葉にたどり着く。それは、要するに「自分とは違う考え、違う立場の発言に対して、『正しいか/間違っているか』の二つの反応しかできない」「自分の理解の外側にも世界があるということを認められない」という考え方だ。そして「正しさを主張する者は、無闇(むやみ)に声だけがデカい」のである。

良い本のようだ。