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○東野圭吾「おれは非情勤」読み中
(集英社文庫 ISBN:4087475751)
非常勤教師をハードボイルド探偵に見立てた連作短編。
主人公は「おれ」、名無しの小学校の非常勤教員。
タイトルが「非情勤」となっているのは、職務(授業)を淡々とこなし、必要以上に子供に媚びない「おれ」のクールな職業倫理を意味している。
ゆえに「おれ」の目には、小学生のクラスという単位は、よそ者を警戒する西部劇の宿場町のように映る。
赴任先の学校を転々としゆえに教師が抱える人間関係から「おれ」は自由である。「おれ」のクールさは、彼が非常勤であることに拠るわけだが、よくよく考えると馬鹿馬鹿しい(褒め言葉)。
おれは非情勤 | |
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