○マイ読書スタイル

通勤車中で本を読むとき、ぱっと開いたページから読み出すというのが俺の読書スタイル。先日、そんなハナシを友人にしたら、電話ごしに怪訝な顔をされた。
最近凝っているクリスチアナ・ブランドやディクスン・カーなどの推理小説は、開いたページから読む的な無茶はしない。俺もそんな素っ頓狂なアクロバットな読者ではない。けれど、新書の入門書の類やエッセー、レポート(ノンフィクション?)のようなもんは、大概「開いたページから読む」的俺スタイルで読んでいる。といっても全然奇妙な習慣とは思わない。
たとえば、「地球温暖化とは何か」って本を俺が読んでる場合、じゃ地球の温暖化に興味があるのか?っていうと、実はほとんど興味ない。もし書いている内容に興味があるなら順序立てて初っぱなから読むハズだから。
つまり、開いたページから読むという読書スタイルは、本が書かれた動機をあまり頓着しないということだ。むしろ、著者が自らの意見やら主張を論理的に展開する際に飛び出てくる喩え話やら当人の日常の経験やら、職業柄から身に付いたと思われる「物の眺め方」など、本を構成する些末な部分にこそ、俺にとっての読書的大好物が潜んでいるといえる。
ゆえに優れた哲学者の書いた立派な思想書であっても、当人独特の痕跡がいきいきとしてなければ、それは俺にとって大っ嫌いなインゲン豆に等しい。