○「地球ふしぎ大自然 赤土が作ったコアラの楽園 」
NHK 総合 4月4日放送)
http://www.nhk.or.jp/daishizen/fbangumi4/koara.html

オーストラリア東海岸の大都市ブリスベン。その郊外レッドランド地区のユーカリの森に住むコアラについてのレポートが興味深かった。
私のコアラのイメージは、”動かない動物”というものだが、同地区のコアラは元気に動き回っていて驚いた。
ユーカリの葉には通常毒があり、それはコアラに食べられないためのユーカリ側の防衛策らしい。
食べられる側のユーカリの知恵も相当なものだが、ユーカリの葉っぱ大好き子のコアラもそのへん対応を怠っていない。肝臓で特別な酵素をつくり、それで解毒をしているらしい。
ただここで難点は、解毒対応に エネルギー割いているため、コアラの対外的な活動はセーブされれいる、ということ。
ところが、レッドランド地区の赤土はユーカリ側も「喰われてもまた葉っぱ生やせばイイや」くらいにコアラの食欲を気にせず鷹揚に構えられるくらい肥よくとのこと。そのためこの地区のユーカリの葉に毒はなく、コアラは思う存分葉っぱを喰えるのだそうだ。つまり、コアラの動かないぬいぐるみ然とした様子は、彼ら本来の特性でなく環境に起因するわけだ。
番組では、レッドランド地区のコアラの雌は1年に1頭の割合で赤ん坊を産むが、 通常は2、3年に1頭の割合と報告していた。ユーカリ側の防衛策はコアラの出生率にまで影響しているようだ。
本質に見えることが、表出(=結果)なことは往々にしてあるのだな、と思った。