○台湾にご用心

中国情報局、「李登輝氏訪日:中国政府、「強烈な不満」を表明」より引用。
http://news.searchina.ne.jp/2004/1222/politics_1222_001.shtml

21日には、中国の王毅駐日大使も都内で「(李登輝氏は)分裂運動をすすめるトラブルメーカー」「戦争メーカーになるかもしれない」「日本人が(李氏に)好意を示すことは、理解しがたい」などと講演で述べていた。

中国は相当怒ってはると判断したのか、政府は急遽マスコミ各社に異例の要望を出した。
asahi.com、「李登輝氏来日「取材自粛を」 政府が異例の要請 」より引用。
http://www.asahi.com/national/update/1220/032.html

今月末に予定される台湾の李登輝前総統の来日について、細田官房長官は20日の記者会見で「空港に出迎えたり、旅館に押しかけたり、汽車に同乗して取材したりしないでいただきたい」と述べ、報道各社に取材を自粛するよう求めた。

これを無視して、李登輝に取材する熱血ブンヤはいるだろうか?に関しては、あまり関心ない。むしろ、北朝鮮問題で6カ国協議が予定されているにもかかわらず、このタイミングで李登輝へビザを発給し、議長国の中国のしっぽを踏む、という対中外交のフラフラ振りが気になる。
別の言い方をすれば、拉致問題解決について、日本政府も先方同様に「不誠実」な気配を感じる。
たぶん、李登輝へのビザ発給は、拉致問題解決を含めた近隣諸国との関係より、日本外交の根幹的な部分から要請されていると勘ぐるのが妥当かもしれない。

MSN-Mainichi INTERACTIVE、「台湾:米が将校配属か 英誌報道、断交後初めて」より引用。
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20041221k0000m030061000c.html

20日付台湾各紙は英軍事誌、ジェーンズ・ディフェンス・ウイークリー最新号(22日発売)の報道を引用して、米国の現役将校が来年半ばから、米国の台湾代表部に相当する米国在台協会(AIT)台北事務所に配属される、と伝えた。現役将校が台湾に常駐すれば79年の米台断交後初めてとなる。

さらに、
極東ブログ 「米国は台湾への軍事支援を強化してきている」より引用。
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2004/12/post_22.html

ここでは、台湾海峡が封鎖されれば、日本と韓国が封鎖されますよ、特に、石油が断たれますよ("choke off international commercial shipping, especially oil")と触れている。

ちなみに中国はアメリカのそんな動きに不快感を示しているようだ。要するに怒ってはるわけだ。
で、アメリカと「足並みをそろえて怒られる」というのが、今回の李登輝へのビザ発給じゃないかと思った。逆にいうと、台中がことを構えた場合、日本はアメリカとともに台湾側につくかも、とカードをちらつかせたという意味か。
独立は支持しないが、中国の台湾海峡域での主導権も許さないというのが、アメリカの極東政策か。
拉致問題はいったいどうなるのかな。