○「このあとスグ、生ヨン様登場です!」

生放送の「生」。一体何がナマなのか。
録画ではなく、現場とお茶の間をテレビ局を介し最新の映像送ることが生放送の定義か。だとしたら生放送の「生」は情報が新鮮なことを言い表す「生」なのだ。
たとえば、横殴りの雨や突風が吹きすさぶ最中、港を背景に地方局のアナ氏がカッパ姿で台風情報を伝える模様は典型的な生放送だ。
生放送とは、災害や殺人事件、スポーツなど刻一刻と状況が変化するニュース伝達にむいている。そして、生放送のこうした特性はインターネットの普及以前は既存のテレビ放送の独壇場だった。
「このあとスグ、生ヨン様登場です!」なんてナレーションは、すでにテレビでは定番化している。
ヨン様ぺ・ヨンジュンは台風でないし、凶暴でもなさそうだ。だからライブ中継で扱う意味は別の意図がある。
簡単に言えば、旬の人を扱う場合にも、テレビは生放送でお茶の間で伝達したがる傾向がある。
贔屓対象に会いたい、触れたいというのはファン心理で、テレビはこのファンを視聴者と当て込んで「このあとスグ、生ヨン様登場です!」とナレーションするわけだ。
つまり、生ヨン様の「生」は「今話題の」という意味合いで使われている。