○通勤本
川本三郎著「アカデミー賞
(中公文庫 ISBN:4122043298
オスカーをめぐる、銀幕スターや監督たちの悲喜交々なセピソードを綴ったコラム集。
フランク・キャプラが『一日だけの淑女』でアカデミー賞にノミネートされたときの
驚喜の様を収録のを「フランク・キャプラの屈辱と栄光」より引用。

「さあ、ここへ来て賞を受け取ってくれ、フランク!」。キャプラは長年夢見てきたアカデミー賞がついに自分のものになった
ことを知った。興奮して立ち上がり舞台に向かって歩き始めた。よろけて近くの席にいたノーマ・シアラーやロバート・テーラ
ーとぶつっかった。スポットライトが受賞者を探して会場のあちこちをさまよった。キャプラはライトマンに向かって「ここだ!」と叫んだ。しかしスポットライトは別び人物をとらえた。受賞者は同じフランクでもフランク・キャプラでなく『カヴァルケード』の監督フランク・ロイドだった。

まるでダウンタウン松ちゃんのコントだ。