○「監視のユートピア/自由のディストピア」−情報管理社会とリベラリズムのゆくえ.
トークイベント:宮台真司×東浩紀.


中2くらいかな。漫才ブームがドカ?ンとあって、その余勢をかって「オレたちひょうきん族」が始まるのです。
「カトケン」から「タケシ」に笑いが移行する時期です。
高校んときは、べつに部活するわけでなく、学校終わって友達の部屋で「夕焼けニャンニャン」を見、ソニーの8ビットパソコンでベーシックプログラムを打つような、まさに80年代的な高校生ライフを送っいました。
雑誌は「ビックリハウス」。
あっ、「月刊アスキー」のロードテストはアツイ部屋にパソコン閉じ込めて、動作試験をするって感じでしたよ。
あと、宮崎駿ナウシカ」の映画化!
大学に合格して上京。
東京都庁が新宿にズバーンと立ちはだかるころです。
俺的には、柄谷行人中沢新一浅田彰などが牽引したニューアカブームの海にズバーンと飛び込んでました。
いやー、今考えてもなんで思想書やその解説本がバカみたいに売れていたのか
全くわからん。つーか、それがブームってもんですな。
浅羽さんの「ニセ学生マニュアル」なんてのが売れてたよなぁ。
ニュース23のキャスターやってる筑紫さんが「若者たちの神々」っていうインタビュー企画をやってたなぁ。
ま、俺的には現代思想は付け焼き刃ですから、「村上龍サイコー」が口癖だっ
たかね。あと、吉本ばななの台頭。俵万智が三十一文字で本屋の新刊台に殴り
込みをかけるのも、その頃か。
サイキンのお若い方々は「トレビアの泉の左端のひと」って認識かもしれませんが、あの方は荒俣宏っていう博覧強記のスゴイ人で、平凡社ってとこからバカ高い「博物学」の本を刊行してそれが本屋さんの懐を潤していましたね。
資格試験の本が売れ筋な昨今とはエライ差です。
もう片方の村上の「ノルウェーの森」がドカ?ンと爆発する時期でもあります。
一方で「ねるとん紅鯨団」みたいな、構造は「フィーリングカップル5対5」な関西的なベタ企画が何故かウケてる時代でもありました。
そんなこんなで、私は本屋さんに就職するんですワ。
マグリットデュラスの「ラ・マン」が映画が大ヒット。文庫本は飛ぶように売れましたね。
で、バブルがポーンと弾けるワケです。モツブーム到来です。


なにが言いたいかというとですね。
今日、宮台×東の対談を都立大まで聞きにいって、あの当時の既視感のようなものを感じた。
中沢新一先生がメチャメチャ面白かったね。彼がオウムで勢い削がれたことが
契機に吉本興行が東京進出する感じゃないですか。
網野先生の講演も聞いたな。浅羽通明×呉智英ってのも聞いた。

内容は全く違うけどね。
宮台、東両氏の問題提起は全然ば80年代バブル期とはまったく気風が違う。
でも、200名くらい今日は聴講してたのかな。アレって祭りノリだよ。
俺みたいなオッサンは少数で、ほとんど学生さんでイッパイ。
で、学生の気分はそうかわらんなぁって思った。
当時の俺の、ナウシカ吉田戦車やタケシや村上龍などの関心ごとの延長線にニューアカの、中沢や浅田や山口昌男栗本慎一郎、リオタールやマーウ゛ィン・ミンスキーがあったように、今の学生の頭のなかも、モー娘とキル・ビルガンダムとサッカーととかと並列的に宮台や東がいるんじゃないかなと思った。
ってゆーか俺は俺自身がそうなんだと実感したな。

東氏はどうか知らんが、宮台氏は意図的に若い人にターゲットをしぼった講話をする。
ま、ピンぼけな内容語るよりはイイけど、日本には「世代的な断絶」があって、公共ってもん、「同じ舟に乗ってる」感がイメージされ難いというようなことを宮台氏は言っているんたが、でもそういう問題意識があるんなら、若い人だけターゲットにすえるのは得策なんだろうか?
別の言い方をすると、両氏の間には深ーい世代格差があるはずだが、それを越えて問題を共有できるのは一体全体どういう力の働きなのか?
それがいま必要なもんじゃないかと思ったりしました。