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○軍師の嗅覚 ー 「ANA客室乗務員は見た! JAL全盛期の“光”と“影” 坂の上の雲ANA編】」雑感
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20100126/212433/


戦国時代、軍師と呼ばれた連中のなかには天候予知にすぐれたものがあったという。否、陰陽師的知識が後の代の軍師たちにも引き継がれていたというべきか。
むろん軍師は陰陽師ではない。戦略的成功の収穫おいて、天候も一つのファクタ−に過ぎないのだから。
ANA客室乗務員は見た! JAL全盛期の“光”と“影”」。 このコラムを一読後、ボクは執筆者・河合薫に、次世代を切り開く軍師像を強く予感した。
彼女は元ニュース・ステーションのお天気キャスター。あの番組にあまり馴染みのないボクだが、そのエジプト犬のような細面の顔は見覚えがある。
そんな河合は今や働く女子向けビジネス指南書の作家らしい。気象動向さながら、景気動向が世の中を左右しているという河合の直感が、こうした転進のキッカケではないか。まさに軍師の嗅覚。
お天気キャスター以前、彼女はANAキャビンアテンダントだった。
だから、このコラムは世間に流布するJALANA両社の漠然としたイメージを云々するものではない。元ANA客室乗務員の肌で感じとった社風の違いについて書いたものだ。
河合は、“スマート&クール”なJALに対し、ANAのそれは“ダサ&ウェット”!!と断言する。
とは言っても、その筆致はANAの“ダサ&ウェット”を嫌悪するのでなく、むしろ青春の日々を振り返るがごとく、「アノ頃みんなバカだったワ」と陽気に笑っている印象をうける。まかりまちがえば、「あんなバカみたいにアツかった自分や仲間と仕事やれたことが今のわたしの肥やしになっているのよ」みたいな先輩セリフが行間から滲んできそうな気配もむんむんある。
マニュアルには書いてない機内サービスの口承伝承、成田での反省会、ホノルル就航と若狭信仰などなど。ぶっちゃけ、河合はANA式の"ダサ&ウェット”の先輩としてこのコラムを書いたと思う。
JALの信じ難い凋落によって、巷のANA評価は俄然高まった。おそらく、ANA志望の学生も増えるだろう。けれど河合は、「アンタたちっ!ANAってそんな追い風気分じゃやってられない会社なのよ!」と喝を入れたいのだ。再建に向けて社員一丸がんばります!と手書きのメッセージを配ったJALスタッフの姿がテレビなどのマスコミで伝えられた。おそらく河合は、懸命な彼らの姿にANA時代のかつての自分やアツい仲間たちとの"ダサ&ウェット”な結束を彷彿したのではないか。
はたして口承伝承がどれほど重要であるかボクは判断することはできない。ただひたすら、女軍師の嗅覚に脱帽するばかりだ。
だから手書きメッセージを配ったJALスタッフよ、ボクは君たち応援してるからね!新生JALの口承伝承はまさにこのズンドコから始まるのだ!
。。。まぁ、そうは言っても『ロッキー』のテーマ曲でスタッフは全員玄関に集合で、キャビンアテンダントを見送るというのは、ちょっとねぇ。。。サスガにANAも今はやってないよね?