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○山口組、延暦寺で歴代組長の法要
http://osaka.nikkansports.com/news/p-on-tp6-20060517-33138.html
滋賀県警は、山口組が銃刀法違反の罪で服役している6代目組長の体制強化や資金集めを狙い、香典名目で数千万円が上納されたとみている。
県警によると、前日に開催を知り中止を要請したが、延暦寺は「宗教上の行事」などを理由に応じなかったという。延暦寺総務部は「認識が甘く反省している。暴力団の法要は今後、拒否したい」と話している。
信長が焼き討ちを仕掛けたのも、その強大な権勢にダメージを与えるためだったろう。
鎌倉時代は武家による政権であるが、それはそれまでの既存権力を駆逐してなされたわけではなく、三大権門ではある、武家・公家・寺社の三勢力の力の均衡上に成り立っていた。武家のボスが鎌倉幕府であり、公家のバックには天皇家があった。そして寺社の大ボスは比叡山延暦寺だった。
佐藤弘夫「神国日本」(ISBN:4480062955)によれば、その比叡山の権勢を背景に日枝山王社は、天照大神を頂点とする既存の神様ランキングに反旗を翻し、自らこそが一等と宣言したと指摘している。
それが今や警察に指導される立場というのは、なんともトホホである。死んだらみな仏なはずが現世秩序に対してアジール的立場を当寺は放棄したわけだ(ちなみに延暦寺のWebサイトで、暴力団の法会はもうしませんというコメントがトップページにある)。
ところで、先日酒の席。比叡山の若い坊さんから話を聞く機会をもった友人がいうには、延暦寺の檀家は天皇家だけだとのたまったという。
コレはどう考えても眉唾である。おそらく延暦寺の坊主たちは想定問答によってあらかじめ答えを用意しているのだろう。これは教義解釈でなく、歴史解釈の範疇にある。延暦寺サイドは「天皇家はうちの唯一檀家さん」という歴史解釈をしているわけか。というか、現世に照らし合わせた場合もっとも効果的な方便が「天皇さんが檀家」というトコロだろう。けっ生臭坊主が!
天皇も死んだから仏になるんか?神サマやろっ!
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