クドカンの「タイガー&ドラゴン」観る(ポニーキャニオン ASIN:B0007G8FLI )

1月9日に放送された宮藤官九郎氏の最新ドラマ、「タイガー&ドラゴン」(TBS)は見逃していたのだが、本日再放送で観た。予想以上のケッサクだった。
職業柄人を脅すことは手慣れてるが、気の利いたことが言えないことにコンプレックスを抱く下っ端ヤクザ、山崎虎児(TOKIO長瀬智也)は、借金の追い込みをかけている最中、噺家の林屋亭どん兵衛(西田敏之)の落語の語りに魅了され無理矢理弟子入りし、林屋亭小虎を名乗る。
ハナシの筋は落語の「三枚起請」をベースにしており、寄席でみたときには感動した「三枚起請」のなのに、いざ自分でやるとなると、噺の会話の意味がからっきし分からないことに気付く虎児。
壁にぶち当たった虎治は、おかみさんの口添えで裏原宿にデザイナーズショップ店主をやってる、どん兵衛の次男、竜二(TOKIO岡田准一)のもとを訪ね、落語のヒントをつかもうとするが、このへんから、虎児はキャバ嬢(伊東美咲)と彼女に入れ込んだ客と「三枚起請」ワールドに踏み込んでいく構造になっている。
言ってみれば、本ドラマ自体がクドカン流の「三枚起請」になっているわけだ。
主題曲は、クレイジーケンバンドの「タイガー&ドラゴン」で、クドカンはこの曲から脚本を起こしたっぽい。
サビの部分「俺の話を聞けぇぇぇ」っていうのが「俺の噺」に対応し、「貸したカネのことなどぉ〜どぉでもいいかぁーらぁ」の部分も脚本に反映されている。
三枚起請」は志ん朝がやる場合、本来は女の居直りが見せ場とされているようだが、キャバ嬢に入れ上げる男側のバカさ加減を強めに演出したのが、今風と思った。