○「エンタの神様」って面白い?
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若手芸人のネタ見せなので、制作費は相当安く、先行するNHKの「お笑いオンエアバトル」が予想外にヒットしているだろうから、民放が真似てくるのは自然の摂理だ。が、「エンタ神様」は何かお笑いとは違う空気が流れているようだ。端的にいえば、TBSが悪ノリをやらかしたときに生じるあの空気だ。そしてそれが笑いに大変邪魔になっていると思う。
エンタの神様」と「オンエアバトル」の違いは、「オンエアバトル」が舞台を見に来た客の投票で面白い/面白くない(オンエアされる/されない)を判断するのに対し、エンタが日テレのスタッフが新進気鋭の若手の、しかも一番面白いネタを選りすぐりましたというコンセプトを前に打ち出している点にある。
NHKアナがやぶれかぶれ気味にハイテンションなのは、番組骨子が「客へ丸投げ」というヘタレ過ぎるための開き直りで、それが良い方向に転がったと私は見ている。
対して「エンタの神様」はどうか?先述したように、スタッフの眼力による選りすぐりのネタを披露するのだから、司会進行の福沢アナはハイテンションであるのは奇妙になるので、「えー続きましては、新婦の高校時代の友人一同様のオカリナ演奏でございます」的披露宴風の晴れやかだが一寸固めな調子にならざるを得ない。
エンタの神様」を包む奇妙なサロン的な空気の正体は、福沢アナが番組コンセプトを生真面目に理解していためである。ゆえに福沢が常識はずれであったなら、結果は違うものになったはず。残念ながらというか、当然彼は普通に常識人だったのだ。
TBSな空気が充満するノリの最悪のバラエティを日テレがやらかしてしまったという意味で「エンタの神様」は、スタッッフごく一部で語り継がれるだろう。